先日「笑っていいとも」で、 SMAP 中居正広が、意外な豆知識を披露していた。
「笑っていいとも」における中居といえば、知識が豊富なタモリに対して、おバカアイドル的ポジションだが、野球に関してはめっぽう詳しい。しかし、巨人の誰は打率何割で・・・というスコアブック的な知識だけかと思っていたら、なんと、「正岡子規」の名前が出てきたのには驚いた。
正岡子規といえば、日本の近代文学に多大な影響を及ぼした俳人。
そして日本野球黎明期の熱心な選手でもあり、血を吐くまで野球をやっていたことでも知られている。(吐血したのは結核が原因だが)。
そしてそんな自分を、血を吐くホトトギスに見立てて「子規」と俳号したのだ。
外来語の「バッター」「ランナー」「フォアボール」を「打者」「走者」「四球」と訳したのも正岡子規である。
子規の四大随筆『墨汁一滴』『病牀六尺』『仰臥漫録』とならぶ『松蘿玉液』には、随筆といいながら、野球のルール説明や訳語が盛り込まれている。「天性の編集感覚の持ち主だった」と松岡正剛も千夜千冊の中で書いている。
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」
子規といえば学校でも習ったこの句。「法隆寺の茶店に憩ひて」と前書きがついている。
奈良の柿はよほど気に入ったらしい。また「一匙のアイスクリームや蘇る」「我声の風になりけり茸狩 」など、食に関する句を多く残している。
数ある食に関する句で「文月のものよ五色の色そうめん」は,愛媛県松山市の有名な「五色そうめん」のことを詠んだもの。具体的に五色の色そうめんと名指しで詠むほどお気に入りだったようだ。
五色そうめんは、8代目長門屋市左衛門の娘がお参りの帰り、下駄に美しい五色の糸がからんだところから思いついたアイデアを8代目が商品化したもので、将軍家や朝廷にも献上され、雅な松山の名産品となった。
久々に食べたくなり取り寄せてみた。
幼い頃の想い出として、色つきのそうめんを兄弟で奪い合った記憶が蘇り、また妻も同じような体験をしていたことに驚いた。文月に入った暑い日には、『墨汁一滴』を読みながら、「五色そうめん」も、風情があっていいかと思う。
ネット通販でも手に入ります。
五色そうめん森川:
http://www.goshiki-soumen.co.jp/
懐かしい~。色つきのめんをよく妹と取り合いしました。
投稿情報: 箕面在住 | 2007年7 月27日 (金) 09:39