オーリス TUMIバージョンが納車されて、2週間。
そろそろ妻にも慣れてもらわないと、いつまでもおかかえ運転手をやっているわけにもいかない。練習も兼ねて、「カルフール箕面」まで買いものへ行くことにした。
妻は、ほぼ完全なペーパードライバー。免許を取得してこれまで10年間で運転したのが10回程度。そのうち半分はアメリカでひたすら真っ直ぐな道と巨大駐車場に頭から突っ込む、という極めてテクニックを必要としない運転だったらしい。
まずは、ドラポジを決めて、ミラーの調整。そんな位置で本当に良いのかと確認したくなるようなポジションだが、本人がいいというので仕方がない。
「じゃあ、出発しようか」
「ぶつけても知らないからね。文句いわないでよ」
すでにぶつける気満々。
マンションの敷地から、一般道路へ、おそるおそるでると予想に反して、なめらかに進み始める。
ドライバーを選ばないところがさすがオーリス!と心で思いながらも、
「運転うまいじゃない」と声をかけると
「今話しかけないで!」と、緊迫した声。
かなりテンパっている。(心の声、聞こえた?)
「え〜、この道って、こんなに狭かったぁ?」
「ぎゃ〜。対向車くるやん」
「きょえ〜、子供が歩いてる」
すこぶる当たり前のことにいちいち反応しながら、それでも車の取り回しのよさで
何事もなくやりすごしながら新御堂筋までやってきた。
「合流気を付けてね」
「今話しかけないで!」
相変わらずテンパっているが、運転はいたってスムーズ。
無事合流も決めて、本線へ。
ここからは一本道だからと、いきなりスピードが上がり始めた。
真っ直ぐな道は得意らしい。
しかし声をかけないことにする。
「・・・」
「なんでだまってんのよ」
「君が声をかけるなっていうから」
「歩行者がいないとこならいいのっ」
妻は緊張すると夫に対して強気になるタイプだ。
「音楽かけてよ」
妻が用意した i-Podの再生ボタンを押す。
ヴァン・ヘイレン/ジャンプの軽快なイントロが始まる。
auの夏キャンペーンで使われている曲。
「知らなかったよ。君が ヴァン・ヘイレンを聞くなんて」
さらにフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、ボビー・ブラウン、ケニー・ロギンスと 80年代ヒットソングが次々と流れる。
「あなたがG.Wに聞いてたR35シリーズにR35 [Compilation] というのがあったの。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース/パワー・オブ・ラヴなんて、むっちゃなつかし〜。まだ中学生だったけど、男子3人女子3人で【バック・トゥ・ザ・フューチャー】の映画を観に行ったなぁ。帰りに喫茶店に入っただけで、ドキドキだった。」
「あ〜あの頃に戻りたい!」
「この車、デロリアンじゃないから無理」
「ところで、今見えてたのが『カルフール箕面』じゃなかった?」
「行きすぎたっ!」
「もどれないじゃない。あ〜。」
「いい。このまま間真っ直ぐ進んで T字路で戻ろう」
T字路をなぜか右折する妻。
「だから、ここで戻ろうって」
「そんなのできない」
「じゃあ、どっか、次に右折できるとこで右折して」
「私ができるところでいい」
「それ以外に選択肢ないし」
「随分来たけど、どこまで進むつもり?」
「だって、後ろから車がきてるから、曲がるの怖いし、私ができるところっていったじゃない」
「わかった。そうして」
「なんで今、左折したの」
「前の車が左折したからつい、つられて・・・」
「じゃあ、あと2回左折したら元来た道に戻るはずだが」
「なんか、どんどん山道に入ってきたね」
「うん。この際、君が行けるとこまで行ってみたら?」
「それ、バカにしてんの?」
「そうじゃないけど、ちょっと面白くなってきた」
「あっやっぱりバカにしてるぅ」
「いいもん、あのヘアピン曲がってみせるから」
「無理すんなよ」
「いまどこ?」
「そうだ!この車、ナビ付きなんだから地図を見たらいいんだ」
「すごい!箕面の山の中まで来てる。この先、勝尾寺があるよ」
「どんだけぇ〜」
「せっかくだから、行ってみる?いま紫陽花がきれいかも」
気がついたら家を出てすでに30分以上が経過していいた。
「う〜っ。腕がパンパンだぁ」
ガラガラの駐車場に車を停め、拝観料を払い、参道を歩く。
「ここへ来るのは初めてだよね」
「うん。滝に猿を見に行ったことは、あったけどね」
「紫陽花だけじゃないのね。いろんな花が咲いてる」
「きもちいい〜」
「空気の振動が違うというか、日常とは違う時間が流れてる感じがする」
「癒される~。なんだか大きなものに優しく抱かれてるって感じかな。」
「たまには、いいね。山中のお寺を散策するのも。」
「そうだ、君の交通安全の祈願やっとこう」
「すごい数のだるま!源氏や足利の時代からこの寺に必勝祈願にきてるんだって。必勝といっても、相手を倒すんじゃなくて、己の弱さに勝つ!の勝ダルマなんだって。」
「私も、運転するだけであなたに八つ当たりしてたら、自分に勝てないね。反省っ」
「たまには、殊勝なことも言うんだ」
「帰りはもっと力を抜いて運転してみせるぅ。」
「カルフールに行かなきゃね」
「そう、バーゲンだったんだ。急がなきゃ」
▼オーリス
http://www.netznewly.com/lineup/auris/index.html
▼オーリス TUMIバージョン
http://toyota.pod.tv/auris/tumi/
▼勝尾寺
http://www.katsuo-ji-temple.or.jp/index.html
アクセス
国道171号の豊川1丁目、または新御堂筋と交差する萱野から北へ、
各3kmで合流して山門前まで約6km。
マピオンの地図
紫陽花に引き寄せられてのお話おもしろかったです!
でも、私にはできないドライブかな~って感じです・・・
やっぱりドライブは、計画通りに行かないと気がすまないので・・・
後、腕がパンパンっというのは、分かります。
私も始めて高速道路を走ったとき肩まで、パンパンでしたから・・・
それも、10年以上前の話ですが・・・
投稿情報: ナウシカ | 2007年6 月26日 (火) 17:22