魂の贅沢を求めて……
★柏木敬太の“新スローな旅”シリーズ。 神々の愛に包まれる島へ
「地上で訪れることのできる最後の楽園」バリ島は、エメラルドブルーの海と青い空、風になびく棚田の稲穂。そしてバリニーズの笑顔あふれる幸せの島。小さなバッグ一つで身軽に飛べば、探していた癒しのヴァカンスが待っている。
ロングステイ中のバリ島に、日本から友人がやって来た。
さて、どこへ案内しようか。迷うほどにバリの魅力は奥深い。
数年ぶりの再会をアラックのカクテル※1で乾杯しながら、
旅の目的をそれとなく聞いてみる。
彼女は大手旅行代理店「J」の5泊6日
バリ島ビーチリゾートツアーに参加していた。
宿泊先はヌサドゥアにある日航バリ。
ゴージャスなビーチリゾート滞在型で、
いまどきの「おひとりさま」に人気のコース。
ホテルでゆっくり過ごし、DFSやプラザバリ※2の
シャトルバスでクタへショッピングに出かけ、
レギャンでかわいい雑貨を探す日本人女性が多い。
ホテル4泊だが、すでに2日目。最終日は、あわただしいので遠出には向かない
・・・とすると案内できるのは明日かあさって。
わたしは、迷わず車を1日チャーターして「ウブド」へと向かった。
ウブドは、オカリナのカタチをしたバリ島のちょうど真ん中あたりに位置する。
バリ芸術芸能の中心地であり、周囲にはのどかな田園風景が広がる、
どこかなつかしさを感じる癒しのエリア。
ウブドが初めてなら、ファーストインプレッションで感動させたい。
お気に入りの癒しスポットの中から選んだのは次の二つ。
「フォーシーズンズ・リゾート・バリ・アット・サヤン」
そしてテガラランの「テラスパディ カフェ」。
どちらも間違いなく、「え〜っ」とか、「すっご〜い」とか、
狙い通りのリアクションを見せてくれるので、
案内するほうも、うれしくなるおすすめのコースだ。
「フォーシーズンズ・リゾート・バリ・アット・サヤン」は、セレブリティに人気のホテル。
ロビーへのアプローチが特に美しい。
渓谷の吊り橋、空中浮遊するかのような蓮池、
池の下へと続く階段を降りると、眼前に広がるなジャングル、そしてアユン川。
メインダイニングの「アユンテラス」は、
その渓谷を間近に見下ろす絶好の場所に
レイアウトされている。
ロケーション、サービス、そして料理までもが超一流。
「最高」や「至福の」といったセールスコピーに裏切られている人ほど、
この感動がより大きなものになること、間違いない。
なんといってもあの、フォーシーズンズなのだから!
フォーシーズンズ・リゾート・バリ・アット・サヤンのスライドショー(画像)はこちら
そしてもうひとつのおすすめポイント、テガラランの「テラスパディ カフェ」
テガラランのライステラスは、ただ「ぼーっ」と眺めているだけで
懐かしさと安らぎに包まれる癒しの空間。バリフリークに人気の場所だ。
しかしそこはバリ。風にゆれる稲穂をのんびり見せてはくれない。
ひっきりなしにやってくる観光ツアーの団体さんと、
それを目当ての物売りさんたち。
断ってもしつこく食い下がってくるので気が休まらない。
この癒しの風景を邪魔されずに堪能するためのカフェ、
それが「テラスパディ カフェ」。
物売りはいないし、眺めは最高。さらにこのカフェのVIPルームと呼んでいる、
わら葺き屋根の東屋「バレ」。
階段状の敷地からせり出すように作られているため、眼前に絶景が広がる。
寝転んでライステラスを眺めたり、とりとめない話をしたり。
1日そこにいるだけで、バリへ来てよかったなと感じられる2席だけの特別席。
その日はラッキーなことに、空いていた。
「ところで、なぜバリに?しかもひとりで」
「最近、一人旅が気楽でいいんだぁ。女同士ってけっこう気を使うのよ。バリはね、一人旅でも優しく受け入れてくれるって、雑誌に書いてあったから」
「たしかに女性一人でバリを旅している姿はよく見かけるね。特にウブドは多いね。クタも別の意味で多いけど」
昨夜は話題にしなかった日本での生活を、自分から話しはじめた彼女。
これもウブドの神秘的なパワーのせいなのかもしれない。
「地上最後の楽園」という宣伝コピーが、本当は深い意味を持つバリ島。
知れば知るほど、底なしに吸い込まれていく奥深さの正体はいったい何なのだろう。
その人には、その人のバリがある。
訪れる人の、夢や欲望をそのまま受け入れてくれる、実現してくれる。
夢がかなう魔法の島。
それがバリ島の正体なのかも知れない。
彼女の積もり積もった話は、まだまだ終わりそうにない。
渓谷から吹き上げる風は、稲穂を揺らし、椰子の葉をすり合わせる。
風のメロディーを奏でながら、いつまでもバレに心地よい時間を届けてくれる。
■ニッコー・バリ・リゾート&スパ <ホテル日航バリ>
■住所 : Jalan Raya Nusa Dua Selatan, Nusa Dua 80363,INDONESIA
■ 電話番号 : <62>(361)773377
■ fax番号 : <62>(361)773388
■ 階数・部屋数 : 15階建て390室
■ 空港からの所要時間 : ングラ・ライ空港から車で約15分
■フォーシーズンズ・リゾート・バリ・アット・サヤン
■住所 : Sayan,Ubud,Gianyar 80571,Bali,INDONESIA
■ 電話番号 : <62>(361) 977577
■ fax番号 : <62>(361)977588
■ングラ・ライ空港から車で約60分
http://www.fourseasons.com/jp/sayan/
■Teras Padi cafe (テラスパディ カフェ)
Desa Cekingan Tegallalang,Ubud
テガララン ビューポイント(Cekingan)南端の階段を降りたところ。
■ 電話番号:0361-7425789
■ OPEN:9:00〜18:00
※ 15%の税金、サービス料が加算されます。
■ングラ・ライ空港から車で約80分
※1アラックとは、発酵させた米とココナッツを蒸留して造られたバリ島で最もポピュラーなお酒です。
※2「DFS」や「プラザバリ」は日本人が大好きな免税店。ツアーで利用するようなホテルにはシャトルバスが運行されている。行きだけならタクシー代無料というサービスもある。
気持ちいいですね。バリの風が吹いて来るようなこの文章。旅への甘い誘いが、こころを騒がせます。
スライドショーも、なかなかです。
旅という人生の究極の道草を、バリでゆったりとすごしたくなりますね。
柏木さんにコーディネイトたのみたいなあ。10日間ぐらい、予算低めで。
投稿情報: マッコボーイ | 2006年7 月17日 (月) 16:07