★旅の流儀。観音寺 司のビバ!イタリア! 5
旅には、人それぞれの流儀(スタイル)がある。
「自分のスタイル」を見つけて旅の感動倍増計画。
ご紹介するのは、ゼロから自分で手配することで、
予算はツアー並、ゴージャス感は「セレブ風」の雰囲気を味わう、
賢いツーリストプラン。
そんな夢のようなプランを実現させた体験談をご紹介していきます。
旅のお供は、楽園を求めて世界中を旅するパーペチュアルトラベラー
「観音寺 司」です。どうぞ、よろしく。
レンタカーでローマ脱出
いよいよレンタカーの旅がスタート。
重いスーツケースをころがしての移動を避けるため
レンタカー営業所があるテルミニ駅近くの宿を選んでおいた。
テルミニ駅ハーツレンタカー営業所で予約書を見せると
世界共通のセールストーク、フルインシュランス(フルカバーの保険)を勧められた。
アメリカなら断るが、ここはイタリア。
運転が荒い、盗難が多いといわれているだけに迷った末、加入することに。
予定金額プラス200ユーロは痛いが、これで当て逃げされても安心。
車はミッドサイズワゴン(2000cc)
大きなスーツケースが2個、外から見えないように入れておくためにはワゴンでなければ大型セダンしかない。
道幅が狭いイタリアで大型車は不向きなためワゴンを選択。大きな荷物がなければイタリアは vitzクラス(現地名yaris)が主流らしい。(写真はvitz)
カーパークから営業所まで車を届けてもう間に、テルミニからアウトストラーダA1までの道順を聞く。前日に書店でイタリア道路地図も購入した。
写真は アウトストラーダ WEB SITE
ルート検索など便利な機能満載。
http://www.autostrade.it/
いよいよ出発。
20年ぶりのマニュアル車。
ヨーロッパはレンタカーと言えばマニュアル車が標準。オートマチックは別途指定となる。
用心深く、クラッチを繋ぐ。
まだ足が感触を覚えてくれていた。
街中から郊外へ進む。
アウトストラーダA1へ向かう途中、地図にない分岐点が。
道幅が広い左に進むと、いつのまにか住宅街の中を迷走していた。
確実に間違っているが、ローマには外環道路が走っているはずだから
そのうち接続できるだろうと進む。
予定より2つ左のICに出た。
ICまで予定より30分の遅れ。
A24からA1まで標識を頼りに注意深く進む。
しかし目的の案内表示が途中で見失う。
A24方面へ進んでいるのに、突如として行き先表示にA24の文字が消えている。
どこかで間違ったのか不安になりながら進んでいると
名称が違うが同じ道だとわかった。
戸惑の連続。不安を抱えながらもなんとかA1に入ることができた。
ここからはナポリまで1本道。
気分的に解放され、アクセルを軽く踏み込む。
あっという間に160Kmを超える。
それでも3車線の真ん中を走行。
160Kmで走行する自分の車が軽く追い越されていく。
体が慣れてきた頃に、追い越し車線に入る。
さすがにマニュアル車。加速がいい。
あっというまに180Kmオーバー。
若かりし頃の感覚が戻ってくる。
「楽しい!」
これだけのスピードを出しても「危険」を感じることがない。
それは見通しのいい直線道路というだけでなく
イタリアのドライバーが高速走行することに慣れている「安心感」のような
これまでに味わったことのない感覚。
日本の高速道路を制限速度で走行するときに近い軽微な緊張感で南へ進む。
1時間でナポリの分岐点へ。
直接ポンペイへ行く予定だったが、観光中にスーツケースが盗まれないか心配なため、ホテルへチェックインを先に済ませることにした。
宿泊先は「ホリデイインナポリ」。
インターネットレートで3人1泊60ユーロと、この旅一番の安さ。
通常200ユーロの部屋なので、設備は充実している。
問題は立地。ナポリ中央駅から近いのに駅裏側。そこは開発中のエリア。ホテルまでの進入路が見つからない。「地図」と「カン」で進むこと20分。ホテル周辺を2周ほど大回りしてようやく到着した。
ポンペイ遺跡へ。
右手にベスビオ火山、左手にナポリ湾を眺めながら30分でポンペイ到着。
日本の観光地にありがちな個人経営の駐車場がいくつもあるので、
遺跡入口に近くて、料金が安いところを数軒確認して駐車。
大別すると、1日6ユーロの駐車場と1時間2ユーロの駐車場。
そして、すべての駐車場が「セーフパーク」とうたっていた。さすがイタリア。
安心して停められることが必修条件となっている。
どこの駐車場もクローズされた私有地で、
盗難の心配が少ないようにできていた。
これならスーツケースを積んだままでも良かったかなぁ。と思えるほど。
しかし、そこはイタリア。用心にこしたことはない。
ポンペイ遺跡内に売店、レストランがある。
マリーナ門から入場。
約2時間でひととおり見学できるほどの広さ。
有名なガイドブックには「ポンペイ遺跡内には水も売っていない」と書かれていたため入場前に水を買い込んでいたが、遺跡内ユピテル神殿の先に売店とレストランを発見。(写真)
そして当時の壁画が色彩鮮やかに残る秘犠荘(写真)への通路には、遺跡隣の土地所有者が売店を開いていた。遺跡はフェンスで仕切られているが、飲み物やお金をやりとりするくいらいの穴があけてあった。
暑いし、石畳の上を長時間歩くので足腰に負担がかかる。
休憩をとり水分を補給しながらの見学が望ましい。そんなとき冷えた飲み物があるとありがたい。
ポンペイを出たのが16時。
計画ではソレントまで行けたらいいなとおもっていたが、とても無理。
ナポリ市内へ戻ることに。
ナポリは、夕方の交通渋滞の時間帯だった。
見事にに渋滞に巻き込まれながらも、
ナポリ流のドライビングテクニックと暗黙のルールを学習していく。
「イタリアで一番危険で、運転が荒いのが・・・ナポリ!」と聞いていたがそれは、どうだろう。
ナポリルールに従えば快適そのものだった。
信号停車中に窓ふきオヤジが近づいてきても、断ればそれ以上のことはなかった。
日本で例えるなら、運転マナーが悪いというイメージの名古屋や大阪に近いがそれほど危険を感じることはない。Uターン禁止エリアでもUターンする車がいる、車線はその時の状況によって流動的につくられていく、といった「ナポリ独自ルール」を覚えてしまえば、大丈夫。
割り込もうとすれば、譲り合いの精神で入れてくいれるし、
メンチ切られることはないし、白い目で見られないし
私は、日本よりとても気持ちよく運転できた。
そんな夕方の渋滞にまきこまれながらも行きたかったのが
アメリカ大統領が、サミットの合間にどうしても食べたくてやって来たという
ピッエリア「ダ・ミケーレ」。
迷いながらも探し当てたが、ここも夏休みでクローズ!
(教訓)
イタリアでおいしいものを食べようと思うなら
8月は避けなければいけない。