カップヌードルがこの世に誕生した翌年。
地元にも、お湯がでる自動販売機が登場した。
「国道沿いのバス停横にあったぞ」
「食べたか?」
「まだ」
「よし、今日行ってみようぜ」
6人の中学生カップヌードル体験隊は、
自転車をこぎ2つの丘を越え
目撃談があったバス停を目指した。
ジュースの販売機より
一回り大きいようなその機械に
コインを入れようとすると、
「120円!もするんだ。」
「俺100円しか持ってない」
「おれ財布忘れた」
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気持ちだけが先走りる
少年時代にありがちな一面。
結局、6人で4個買う。
自販機に書かれたとおりにラップを剥がし、
そのままお湯の注ぎ口へ置く。
「そのまま?」
「ふたを半分開けないのか?」
「どうやってお湯が入るんだ?」
じゃんけんで勝ったひとりが「注湯ボタン」を押し
ドキドキしながら全員でその様子を凝視する。
周囲に湯気が立ちこめたことで、
注湯されていることを知る。
ただそれだけのことに
集中し、息を潜め、見守る。
ノズルがあがり、注湯完了。
取り出せばずっしり重い。
ただそれだけで、感動する少年。
3分待ちきれずに
ふたを開けようとする仲間に
非難の嵐。
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きっちり3分でふたを開けると
あふれんばかりに膨れあがった卵、肉、エビの具材に
一同歓声を上げた。
それまでのインスタントラーメンと違い
スパイシーな味にまたまた、感動。
「うめっ」
「早く回せ」
「スープ残しとけよ」
感動と小さな達成感につつまて、
ハイテンションのまま
カップラーメンデビューに盛り上がったあの日は遠い昔。
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すっかり忘れていた懐かしい想い出が
現実とクロスオーバーするように、
2007年に引き戻された。
そうだ。
今日は
池田市の
インスタントラーメン発明記念館にある
カップ麺の製造過程がわかる体験工房
「マイカップヌードルファクトリー」を
見学していた。
自由にカップをデザインして、
スープを選び、
エビ、タマゴ、豚肉、カニカマなど
好きな具材をトッピングして
世界でひとつだけの
オリジナル「カップヌードル」を
つくるブースを眺めていたら
少年時代のなにげない1日にタイムトラベルしていた。
きっとここに来場する大人ひとりひとりに
インスタントラーメンにまつわる想い出があるはず。
子供達には、発見、
大人には、遠い記憶を呼び覚ましてくれる
不思議な空間だ。
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▼インスタントラーメン発明記念館
世界初の
インスタントラーメン記念館として、
1999年11月21日にオープンし、
2004年11月26日拡張新築オープン。
1Fは、インスタントラーメンの歴史、
チキンラーメンが誕生した小屋や
マイカップヌードルファクトリーがある。
2Fは、チキンラーメン手作り体験工房。
予約制でチキンラーメンを自分でつくることができる工房。
エントランス脇のショップには、
カップヌードルのカタチをした消しゴムなど
ここだけのおみやげも充実。
世代を超え、国境を越え
ここまで愛される手軽でおいしいものを
開発された日清食品創業者
安藤百福(あんどう ももふく)さんに
感謝です。
インスタントラーメン発明記念館の
詳しいご案内は下記サイトで。
http://www.nissin-noodles.com/
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▼記念館のご案内
【所在地】 大阪府池田市満寿美町8-25
【最寄駅】 阪急電車宝塚線「池田駅」下車
(阪急梅田駅から急行で約20分)
満寿美町方面出口から徒歩約5分
【開館時間】 9時30分〜16時
(入館は15時30分まで)
【休館日】 火曜日(祝日の場合は翌日が休館)年末年始
【入館料】 無料
【ご案内ダイヤル】 TEL(072)752-3484
*9:00〜16:00